着物は外国人に人気です。
古くはクロード・モネやゴッホが日本の着物女性を描いたことは有名ですし、「Kimono」という言葉は16世紀にヨーロッパに広まり、現在では世界の多くの国で、日本の着物は「Kimono」と呼ばれるようになっています。
ここでは海外の人達の着物に対する反応、および着物を広げるためのさまざまな動きについて紹介します。
外国人が着物が好きな理由
海外の人達の着物に対する反応を見てみると、彼らが着物を好きなのは次のような理由のようです。
キレイ
まず何より「キレイ」なこと。
外国人が着物を見ると、「キレイ」「カワイイ」という反応が多いです。
たしかに着物は鮮やかな色使いがされ、さまざまな柄が染め込まれています。
単なる衣服の柄というよりも、「絵画」といった方がいいようなものも多いですね。
また帯や髪飾りなど小物も着物とコーディネートされ、色鮮やかに彩られます。
洋服にはこのようなものはありませんから、それが外国人の琴線に触れるようです。
仕草がエレガントになる
着物を着ると、洋服を着ている時のように大きな動きはすることができません。
大股では歩けませんし、腕を上げたりなどの活動的な動きもできません。
帯でしっかりと背中と腰が固定されるため、自然に姿勢も良くなります。
仕草が自然に落ち着いた、エレガントなものになるのも、外国人にとっては魅力と映るようです。
武士道をイメージさせる
外国人は、「サムライ」や「ニンジャ」が好きです。
着物は、それら武士道に由来するものをイメージさせる衣装であることも、着物が人気の理由のようです。
また着物は男性用のものについては、黒や灰色、茶色など暗い色が多いです。
「神秘的でクールに見える」ということもありそうです。
自分には似合わないので余計に憧れる
着物は日本人に似合うように発展してきた衣装です。
体型は寸胴型で足が短く、髪が黒い方が似合いますので、外国人にはなかなかきちんと似合いません。
自分はこんなに好きなのに、自分には似合わない…。
そのことで、着物に対するあこがれが余計に強くなるところもあるようです。
日本に来て着物を買う外国人も多い
以上のように着物に憧れる外国人が多いことから、日本の着物の売上も、外国人観光客によるものが増えています。
浅草で5店舗を展開するある中古着物販売店は、売上の25%~30%を外国人が占めているとのこと。
外国人はどんな着物が好きなの?
外国人の着物の好みは日本人とはちょっと違い、紬などの渋い織りのものより、やはり華やかな、日本らしい染めの着物が好まれるようです。
台湾人は赤や黄などの派手な色調を好むのに対し、フランス人はシックな黒を好むなど、国によって好みも違ってくるようです。
また着物の種類では、羽織が一番人気だそうです。
着つける必要がありませんので、カジュアルホームウエアとして着る人が多いようです。
海外に着物を紹介する動きも盛ん
このように着物が海外で人気を高めていることで、海外に着物の魅力を紹介する動きも盛んになっています。
たとえば日本で不要な着物を安価で購入、海外の着物ファンに低価格で販売するサービスもスタートしました。
これは単なる通販サイトというだけでなく、ネットを通じて着物文化の交流も行っているそうです。
また日仏合同のファッションブランドが、着物や和柄をモチーフとした作品を世界に発表しています。
海外でのボランティアも盛んです。
各国で現地の人に着物の着付けをする活動には、日本からツアーを組んで、多くの日本人が訪れているそうです。
着物はこれからますます、海外へ広がっていくことでしょう。