着物を着て歌舞伎や観劇、寄席などを鑑賞する時の注意点とまとめています。
着物といっても種類が多くどれがよいか悩む人も多いと思いますが、鑑賞する際は訪問着・付下げ・色無地・江戸小紋などがおすすめです。
着物以外にも、鑑賞する際のマナーについても解説しているので、ぜひチェックしてください。
着物は何を着たらいい?
歌舞伎や観劇、寄席などを鑑賞する時には、どんな着物が合うのでしょうか?
帯のコーディネートのポイントも合わせてチェックしておきましょう。
訪問着・付下げ・色無地・江戸小紋などがおすすめ
着物を歌舞伎や寄席に着ていくなら、おすすめなのは訪問着・付下げ・色無地・江戸小紋などです。
牛首紬やしょうざん紬など、後染めの訪問着は、着ている人も多いです。
もちろん大島紬・能州紬など先染めの織りの訪問着も素敵です。
ただし泥大島や藍の結城紬などだとちょっと暗い感じがするので、白や色の大島紬、ベージュや白の結城紬など白っぽいものを選び、華やかさを演出しましょう。
帯のコーディネートのポイント
観劇にふさわしい帯のコーディネートは、訪問着の場合なら、オリカ染の袋帯がおすすめです。
付下げ・色無地・江戸小紋なら、色香染の袋帯、または九寸名古屋帯、八寸名古屋帯など。
博多の八寸名古屋帯なら、価格的にも手頃です。
ただし柄は、あまり普段着に合わせるものは避け、献上柄などを選びましょう。
紬の着物を着るのなら、おしゃれ袋帯か名古屋帯。
以前は織りの着物には染めの帯を合わせるのが普通でしたが、現在では、色柄があっていれば、染でも織りでも問題はありません。
木綿の着物を着るのなら、八寸名古屋帯か半幅帯。
半幅帯は、お太鼓風に締めるとオシャレです。
服装は着物でなくてもOK
歌舞伎や寄席の観劇は、着物で行けば気持ちが盛り上がりますが、もちろん、着物でなくても全く問題ありません。
「洋服の場合にはフォーマルでなくてはいけない」などと聞くこともありますが、その必要もありません。
お出かけするのふさわしい服装であれば、どんなものでもかまいませんし、ジーンズでも問題ありません。
ただしもちろん、近所のコンビニやゴミ出しに行く際のスエット上下など、あまりだらしない服装は避けましょう。
鑑賞する際のマナー
歌舞伎や観劇、寄席を鑑賞する際には、いろいろな注意点があります。
初めて鑑賞する人も、何回も鑑賞している人も、ぜひ確認しておくようにしましょう。
髪型で後ろの人の視界をふさがない
歌舞伎や寄席を観劇する際、まず気をつけなければいけないのは髪型です。
お団子やポニーテール、盛った髪、大きな髪飾りなど、後ろの席の人の視界をふさぐような髪型は避けましょう。
帽子などをかぶっている場合には、観劇中は脱いでください。
カチューシャやヘッドドレスも、デザインによっては外しましょう。
香水はつけ過ぎない
劇場は密閉された空間ですし、隣の人との距離も近いです。
香水をつけ過ぎて、匂いがきつくならないように気をつけましょう。
またもちろん、体臭・口臭にも注意が必要です。
携帯の電源はOFFに
携帯の電源は、かならずOFFにしてください。
マナーモードだとバイブが鳴ったりチカチカ光ったりして、他の人の邪魔になることがあります。
またマイクなど、機会が不調になる原因になることもあります。
お手洗いは観劇前に済ませる
上演中に席を立つのは、他の人への迷惑になります。
お手洗いは、かならず先に済ませましょう。
幕間のトイレも、混雑が予想されます。
休憩時間では間に合わないこともありますので、早めに行くようにしましょう。
遅刻は厳禁
歌舞伎や寄席の上演中は、他の人の目の前を横切ることは非常な迷惑となります。
劇場へは余裕を持って到着し、遅刻しないように気をつけましょう。
どうしても遅刻してしまった場合は、劇場のスタッフが席まで案内してくれます。
その際には、案内してもらう前に、
- コートは脱いでおく
- リュックやショルダーバッグなどは下ろしておく
- 携帯の電源をOFFをにする
- オペラグラスを持参しているなら、カバンから取り出しておく
などをして、席についたらすぐに観劇できるように心がけます。
遅刻してきた人が、席についてからさらにゴソゴソしていると、ほかの人の気が散ります。
観劇中はしゃべらない
もし同行者がいる場合でも、観劇中はしゃべってはいけません。
小声でしゃべっているつもりでも、周りの人からはかなりうるさく聞こえるものです。
笑ったり拍手したり泣いたりなどは、基本的にはOKです。
ただし、あまり過剰にならないように注意しましょう。
雑音を立てない
観劇中は、できるだけ音を立てないように気をつけましょう。
ビニールがガサガサいう音、ストラップのガチャガチャする音、ジッパーを上げる音など、小さいと思っても他の人は意外に気になるものです。
また咳やくしゃみなどもタオルで押さえるなどして、できるだけまわりに響かないようにしましょう。
咳があまり出る場合には事前に咳止めを飲むか、それでも止まらないようならば、その日の観劇は諦めるのがマナーです。
背もたれに背をつけて観劇する
観劇中は、背もたれに背をつけて観るようにしましょう。
劇場の座席は、背もたれに背をつけて見ることで、後ろの人もきちんと観られるように設計されています。
前のめりになるなどすると、後ろの人の視界を遮ることになります。
また着物の場合、後ろに帯があると座席に背中を付けることができません。
帯をくるっと前に移動し、観劇するようにしましょう。
あまり体を動かさない
体を揺らしたり貧乏揺すりをしたりなど、あまり体を動かすと、後ろの人の気が散ります。
不必要に体を動かさないように心がけましょう。
また居眠りも禁物です。
寝息や、頭がカクカクと揺れるなどすることは、他の人の迷惑です。
禁止事項は守る
観劇中は、禁止事項を守りましょう。
携帯の使用は厳禁ですし、ペンライト・うちわ・メッセージボードなども、公式にOKとアナウンスされている場合以外は、基本的に禁止です。
また飲食も、基本的には禁止となります。
撮影や録画などは、著作権侵害となりますので、絶対にやめましょう。