着物は、お手入れをきちんとし、ていねいに保管することが、長く着続けるための秘訣です。
お手入れをきちんとしさえすれば、着物は何十年という期間、着ることができます。
洋服と比べ、やはり多少の手間はかかることになりますが、「これも楽しみ」と思い、ていねいにお手入れしてあげましょう。
着物を着た後のお手入れ方法
風を通す
着た後の着物は、体温で温かくなり、また湿気も含んでいます。
そのまますぐにタンスにしまうと、カビや黄ばみを作ってしまうことになります。
ですから着物を着たら、その後は着物用のハンガーにかけ、一晩つるして風を通します。
もし一晩の時間が無いようなら、風通しの良い部屋で、最低2時間は風を通すようにします。
またこのとき、帯や長襦袢も同じように風を通します。
ホコリを落とす
風を通した後、乾いたきれいなタオルを使い、ホコリを落とします。
このとき、擦るのではなく、サッと払うようにするのがポイントです。
泊や刺繍がある部分は、特にていねいに扱いましょう。
擦ってしまうと、それらが傷む原因になります。
しみと汚れをチェックする
着物を着ると、しみや汚れが付くことがあります。
これがないかどうか、全体をくまなくチェックしましょう。
衿や袖口、前身頃、腰、裾周りなどのところが、しみが付きやすい場所です。
念入りに確認し、もししみや汚れを見つけたら、糸で印をつけて、原因をメモ書きしておきましょう。
汗などのしみは、水で固く絞ったタオルで拭けば取れることもあります。
ただしその場合にも、絶対に擦ってはいけません。
しつこい汚れは、ティッシュペーパー等を重ねて置いて、できるだけ早く専門店へ相談し、処置してもらうのがおすすめです。
半衿を外して洗う
半衿を外し、ぬるま湯に中性洗剤を溶かしたところにつけておき、叩くようにして洗います。
そのあとタオルで水気を取り、陰干しして、アイロンを掛けます。
ただし絹は縮みますので、スチームは使わないようにしましょ。
アイロンを掛ける
シワができていることがあると思います。
これには、アイロンを掛けます。
アイロンは、あて布を当てるようにしましょう。
軽く押さえる程度に、手早くかけるようにしましょう。
着物を汚してしまった場合の応急処置の方法は?
着物を汚してしまった場合、一番いけないのは擦ることです。
擦ってしまうと、汚れが他の場所に広がることがあるからです。
まずは適切な応急処置をして、そのあとは専門店に処置してもらいます。
応急処置の仕方は次の通りです。
お茶、紅茶、汁物、お酒など
裏に乾いたタオルを当て、表から水を含ませたハンカチなどで叩きとります。
料理の油ジミ
乾いたハンカチでしみの広がりを押さえます。
ソース、しょうゆ、果汁、墨、マジックインキなど
何もせず、すぐに専門店に相談しましょう。