塩沢紬は、新潟県の南魚沼市周辺で生産されている織物です。
よく間違えられるのですが、本塩沢とは全くの別物です。
塩沢紬の歴史
塩沢周辺の織物は、古い歴史を持っていて、1200年くらい前、奈良時代には、紬の元となる麻布、越後上布が作られ始めたと言われています。
この越後上布は、正応院に今でも保存されているそうです。
越後上布の織物技術を絹織物に取り入れたのが、塩沢紬になるそうです。
これは江戸時代の中頃に開発されたと言われています。
大正時代
大正時代頃から、生産量が増してきて、麻布より多く生産されるようになりました。
ただ戦争中は、「贅沢品」とみなされて、生産が制限されたこともあったそうです。
戦後
戦後になり、協同組合が作られて、商品化が積極的に進められました。
1975年に、経済産業大臣指定の伝統的工芸品に、そして2009年には、ユネスコの無形文化財に指定されました。
塩沢紬の特徴
塩沢紬は、縦糸には生糸、横糸に真綿手紡ぎ糸と、2種類の糸を使うのが特徴です。
ただしこれらはどちらも、地元のものは入手困難であるために、群馬県で生産されたものを使っているとのこと。
この糸を、手くくりと手すり込みによって、絣糸を一本ずつ合わせながら、丹念に織り上げます。
絣の種類には、
- 虫絣
- 十字絣
- 亀甲絣
などがあり、細かい模様が特徴です。
色は藍など、濃い目のものが多いです。
また柔らかで、暖かいのも、結城紬の特徴です。
結城紬の製造工程
結城紬を作るには、まずは絣模様のデザインを設計します。
次に地と絣模様の経糸と横糸を、それぞれより合わせます。
その上で、糸を図案の色になるよう、染料で煮て染めます。
それから手くくり、手摺りこみを行うことで、絣の模様を作っていきます。
ここからいよいよ機織りです。
まずは図案のデザインになるように、経糸、横糸の位置を調整しながら、機織り機に巻き付けていきます。
そして経糸の絣模様と横糸の絣模様がきちんと合うよう、ていねいに織り上げます。
機織りの作業は、2~3週間かかります。