和装には金糸と呼ばれる、金を使った糸が良く使われています。
金糸は本物の金(純金)が使用されているので、売却する際に、着物買取業者か金買取業者のどちらにしようか迷ってしまいます。
着物としての価値を評価してほしいのであれば着物買取業者、金としての価値を評価してほしいのであれば金買取業者となりますが、着物に使用されている金糸は量が多くないので、着物の価値を評価してもらった方が高く買い取ってくれる可能性が高くなります。
金糸の買取業者
金糸を買い取ってくれる業者には、着物買取業者と金買取業者の2つがあります。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
着物買取業者
着物買取業者は、金糸の価値だけを査定するのではなく、着物としての価値も査定してくれます。
金糸を使った着物には、高級で上質な着物が多いため、着物自体の価値も高くなります。
金糸の価値だけでなく、着物の価値も考慮して値段をつけてくれるので、高額買取も期待できます。
例えば、相良刺繍の着物では、買取価格が7万円程度、金駒刺繍の袋帯では、買取価格が8万円程度と、かなり高額で買い取られています。
金買取業者
着物買取業者で査定に出したけど、査定額に納得がいかないという場合は、金買取業者に査定をお願いしてみてもいいかもしれません。
ただ、金買取業者の多くは着物についての知識がありません。
そのため、着物の価値は無視して金の価値のみで査定されてしまう可能性もあります。
着物に使われている金糸の量はそれほど多いものではないので、金の価値だけで査定されてしまうと、どうしても安くなってしまいます。
着物の価値もきちんと見てほしいという場合は、着物も金も両方買取している業者を探すというのも一つの手です。
金糸について
金糸とは、糸に金泊を貼り付けて作る糸のことで、和装の装飾に良く用いられています。
着物の刺繍や帯の刺繍、帯締め、バッグ、下駄など、様々なところに施され、華やかさを演出しています。
金糸の特徴
金糸には大きく分けて、以下の3つに分られます。
- 本金糸
- ソフト金糸
- ニュー金糸
本金糸
本金糸というのは、本物の金箔を糸に貼り付けて作られたもので、純金、又は純金に近い金が使われています。
本金糸の場合は装飾としての価値だけでなく、金としての価値も評価されます。
ソフト金糸
ソフト金糸は、銀箔やアルミ箔を金色に染めて貼り付けたもの。
使われている素材は銀やアルミなので、金としての価値はありません。
ただ、最近ではソフト金糸を使った装飾も増えつつあり、ソフト金糸を使っていても高価な着物はたくさんあります。
金としての価値ではなく、着物としての価値は期待できます。
ニュー金糸
ニュー金糸は、ポリエステルフィルムにアルミニウムを真空蒸着させたものです。
機械で大量生産でき、さらに経年変化もないことから、ソフト金糸よりもコストパフォーマンスに長けています。
安く生産されているため、金糸としての価値は低くなります。
歴史
金糸はいつの時代に作られたものか、詳しい情報はわかっていません。
インドが発祥ではないかとされていて、紀元前1000年というはるか昔から使用されていたことがわかっています。
日本へ伝わったのは飛鳥時代ごろと考えられていて、飛鳥京跡から金糸の失敗作が出土されています。
現在では西陣織や錦織などの織物に幅広く使われ、着物や帯、和装小物だけでなく、インテリア等にも使われています。
まとめ
金糸は古くから高級な衣類に使われる特別な糸でした。
高級感と華やかさを併せ持つ金糸を使った着物や帯は、それだけで特別な存在感を放ちます。
できるだけ高く売却するためには、まずは着物の価値を理解してくれる着物買取業者に任せてみましょう。
本金糸を使用している場合は、金買取業者でも買取してもらえますが、着物としての価値が評価されない場合があるので要注意です。
ソフト金糸の場合は、金買取業者では買取してもらえません。
着物買取業者に買取依頼するようにしましょう。