結城紬の生産地は、茨城県結城市周辺、、および栃木県小山市から下野市付近です。
国の重要文化財に指定され、細かい縞と、絣が特徴となっています。
結城紬の歴史
結城紬の歴史は古く、古代の伝承によれば、崇神天皇の時代から、織物が始まったと言われているそうです。
初めのころは、太い絹糸で織った粗布でした。
江戸時代に入り、京都や信州に伝わる技術を取り入れ、技術革新が行われたそうです。
それにより、結城紬の知名度が一気に高まっていきました。
明治に入ると、絣の結城紬が生産されるようになります。
1873年のウィーン万国博覧会にも出品され、世界にも名が知られるようになりました。
1953年には、茨城県無形文化財に、さらに1956年には国の重要文化財に指定されます。
さらに2010年には、ユネスコの無形文化遺産リストにも登録されました。
結城紬の生産工程
原料
原料である真綿は、元々は結城市周辺で生産されるものを使っていたそうですが、現在ではそのほとんどが、福島県保原町で作られる入金真綿となっています。
2000年に入ってから、茨城県の主導により、繭の新品種が開発されましたが、まだまだ生産量は少ないようです。
つむぎ
繭はまず、2時間ほど、重曹を加えたお湯で煮込まれます。
それによって柔らかくなった繭を、ぬるま湯の中で拳で広げながら真綿を作ります。
これを「つくし」と呼ばれる器具に貼り付け、手作業で、糸を紡いでいきます。
均一な太さの糸にするためには、かなりの熟練が必要とされるそうです。
整経
まずは縦糸を揃えます。
反物一反に、上下の糸で640本ずつ、経1280本の糸が必要です。
絣くくり
縦糸を枠に巻きつけて、墨で下絵をしていきます。
この下絵の部分を綿糸でくくる事により、そこに染料が入らず、白い部分として模様になります。
これは「絣」の技法で、このくくりの数は、反物一反で数万におよぶこともあります。
それをすべて、同じ力でくくるために一人がやらなければならず、作業に数ヶ月がかかることもあるそうです。
刷り込み
戦後になって開発された染色技法で、「刷り込み」と呼ばれます。
これは直接染料で色を付けていくやり方です。
絣は染料が入らない、白い部分を模様にしますので、地色はどうしても藍や黒など、濃い色でなくてはなりません。
刷り込みを行うことで、明るい色の反物も、作ることができるようになったそうです。
糸染め
くくりや刷り込みをした糸を、染料で染めていきます。
くくりのあいだにきちんと染料を染み込ませるには、ただ染料につけるだけではダメで、地面に叩きつける叩き染めが、結城紬の特徴的な技法だそうです。
糊付け
糸の強度を増すために、のりづけをします。
塗っては乾かしを3度にわたって行うそうで、糊の強さはかなりの経験が必要となるようです。