六谷紀久男は伊勢型紙の錐彫の分野で活躍した彫り師です。切彫とは錐を使って彫刻を施していく技術で、鮫小紋など細かい文様を得意としました。
錐彫の分野において、第一回人間国宝に認定され、数多くの功績を遺してきました。六谷梅軒という名で彫刻活動をしており、現在は息子の六谷博臣が、二代目六谷梅軒として活躍しています。
六谷紀久男の着物を売却するときは、まず買取相場を知っておくことが大切です。ここでは六谷紀久男の作品の買取相場や特徴をまとめています。
六谷紀久男の着物や帯について
六谷紀久男の買取相場や特徴を知ることは、高く売却する際の重要な知識です。きちんと把握しておきましょう。
買取価格相場
六谷紀久男の買取価格相場は、2万円前後と言われています。彫り師の作品は、型紙さえあれば何度も作り出すことができるので、どうしても価値が低くなりがちなのです。
でも六谷紀久男の場合は彫り師の中でも価値の高めで、種類や状態によっては、もっと高額になるものもあり、高額買取が期待できる作家の1人でもあります。
オークションでは、28,300円で落札された実績がありますが、通常はオークションなどの方が、買取業者よりも高く売れる傾向にある中で、この価格はさほど高くありません。
オークションではきちんと価値が理解されない場合も多いので、買取業者と変わらない価格だったり、逆に安くなってしまう場合もあるので注意が必要です。
特徴
六谷紀久男の作品の特徴は、とにかく細かくて繊細な文様が多いということです。先の細い錐で彫っていくからこそできる細かな彫刻は、見るものを驚かせるほど繊細で緻密な仕上がりです。
六谷紀久男は中でもより細かな鮫小紋の研究を長年続けていて、3センチの丸孔を四方へ1,000個以上彫る極鮫小紋などを作り上げてきました。高い技術力が必要な文様で、他の物が真似できないほど精密さを持ち合わせていました。
現在でも型紙が残されているので、その型紙を使って新しい反物が作られ続けています。幅広い年代層に愛される文様で、現代でも人気の高い作家です。
まとめ
六谷紀久男の作品を売却する際は、着物の専門家に査定してもらうのが一番です。彫り師の作品は価値を低く見積もられてしまいがちですし、息子が二代目として同じ名前を襲名しているので、どちらの作品か混乱してしまう業者もあります。
オークションでも同じような傾向がみられ、高額で落札されている例はあまりありません。人間国宝作家としてきちんと価値を認めてもらうために、着物に詳しい専門業者で売却するのがおすすめです。