江戸小紋はフォーマルから街着まで着こなせる人気の高い着物ですが、江戸小紋五役と呼ばれる5つの種類があります。
無類の着物好きでも、これぞと言う品を一つ持っておけば十分という人もいますね。
もし出番の少なくなった着物を持て余しているなら、着てみたい!と興味がある人に提供してはどうでしょうか。
もちろん価値の分かる鑑定士を通して、価値を損ねないよう上手に売ることが重要です。
こちらでは江戸小紋の大御所、小宮康助の着物の特徴や買取相場価格をまとめました。ぜひ参考にされてくださいね。
小宮康助の着物について
フォーマルからカジュアルまで着こなせる江戸小紋は着物好きにはたまらない一品です。
若い頃は少し地味に感じるかもしれませんが、スーツと同等の格で着られますし、特に40代以上になると非常に重宝します。
重要無形文化財認定者の小宮康助は、そんな江戸小紋の染色家の第一人者として名を馳せました。
小宮家は大体型紙を未来のために守り続けており、それは家訓でもあるそうです。
買取価格相場
ノーブランドの江戸小紋であれば新品でも5千円出せば手に入れられる時代ですが、小宮康助のような本格的な作家の作品は別格です。
新古品の付下げは4万円以上、江戸小紋が13万~29万円、中古で汚れや難ある品が3万円程度で販売されています。
買取相場は1万円前後を見ておくと良いです。
小宮家は親子孫の三代で作品を作り続けていますが、やはり元祖である小宮康助の作品は希少価値が非常に高く、高価買取が期待できるでしょう。
このような高価な着物は一般的な買取店に持参するのはお勧めできません。
着物の価値が分からない人が汚れやシミの数だけチェックして、二束三文として買い取られるのが関の山です。
着物を売りたいと思ったら、経験と修行を積んだ鑑定士が所属する業者に持ち込みましょう。
実際に見ないと値段が付けられないため、細かい鑑定料金が分かるまで多少時間がかかることが難点ですが、気に入らなければこちらが断ることもできます。
着物は湿気を嫌い風通しのある場所を好むデリケートな衣類ですから、少し考えてから売りに出したい、と思っているなら正しいお手入れを施しましょう。
たとう紙が黄色く変色している場合は、新しいものに交換し防虫剤を入れるだけでも品質が保てます。
特徴
小宮康助は東京で生まれ明治から昭和にかけて活躍した染色家です。
小宮康助と息子である康孝氏は型紙や染料の研究に没頭、それが認められ人間国宝に認定されており、孫の康正氏も名門の名に恥じないよう技を磨いています。
東京の新小岩には小宮染色工場が設立され、生地や染料、型紙に使う和紙などを改良し、現代向けの小紋作りに取り組んでいます。
江戸小紋とは一見遠目には無地の着物に見えるものの、近くで見ると繊細で優美な職人技を感じられる着物です。
大名家の裃の模様がルーツの「定め小紋」は、そもそも江戸幕府が武士は質素でなければならないと達しをしたのが始まりで、遠くから無地に見える着物を愛でるようになりました。
それから染めの技術が向上・複雑化し、江戸庶民の間でも小紋柄の人気が高まります。
町人や女性も着用できるよう柄も進化を遂げたのが、「いわれ小紋」です。
幕府は引き続き派手な格好を良しとしない規制を出したため、遠目からは無地だが柄が緻密で繊細、という江戸小紋が進化していきました。
このように江戸の名残を感じさせる着物が現代にも息づいているのは、なんとも不思議なものですね。
それは小宮康助らのような作家による伝統技術の継承があってこそ。
私たちも着物を日常的に愛用することで、未来に貢献できるのかもしれません。