おしゃれが好きな人なら、着物がいかにTPOを選ばない物かお分かりでしょう。
難しい色合わせでも着物であればしっくり馴染みますよね。
ただ着物でも流行柄や色があるので、どんなに良い品でも出番が少なくなるのは当然のこと。
お気に入りをただ眠らせて置くのは勿体無いので、次世代に引き継ぐのも良いかもしれません。
羽田登喜男のような有名人気作家作品であれば、欲しい人は後をたちません。
こちらでは着物を高く売るコツや羽田登喜男の着物の特徴や買取相場をまとめました。
羽田登喜男の着物について
羽田登喜男は英国王室・ダイアナ妃が来日したときに、三ヶ月かけて製作した「瑞祥鶴浴文様」と題された本振り袖を、京都を代表して送ったことで知られています。
加賀友禅と京友禅の融合した独自の世界観と、写実的かつ加賀的な文様の鴛鴦(おしどり)が特徴的で、今でもファンの多く存在します。友禅を極めた作家と言えるでしょう。
買取価格相場
羽田登喜男と言えば鴛鴦の文様がモチーフですが、かつては一匹描かれるごとに100万円と言われていました。
一匹をよく観察すると加賀的要素と京友禅の伝統美を併せ持っており、全体的に見ると、その仲睦まじい様子が愛らしいと評判なのです。
ほぼ新品に近い中古品で落款入りの訪問着と袋帯のセットが100万円~、訪新品訪問着で60万円以上、鴛鴦がたくさん描かれて入れば100万円以上、本唐織御召糸使用の唐織訪問着は170万円以上で取引されています。
美術品と同等と言っても過言ではありません。
ただ市場ですぐに手に入る代物ではないため、探しても見つからない場合も多いでしょう。
着物の買取価格は販売額の10分の1の相場と言われており、一概には言えませんが10万円前後は見込めるのではないでしょうか。
ただ羽田登喜男のような有名作家といえども、一般的に作家名だけで評価するのは難しいと言います。
また質屋やリサイクルショップは着物の価値を正当に評価できる人が属していないため、ほとんどがゼロに近い価格で買い取られる場合も多いです。
シミや汚れ、仕立てのサイズによっても買取額は一概に決められないため、少しでも高く買取してもらうためには、目利きのきく査定士に大切な着物を見てもらいましょう。
着物や和装小物などをメインとして取り扱っており、なおかつ伝統工芸品に精通する業者がお勧めです。
出張査定を依頼すれば、わざわざ交通費をかけて重い着物を持っていかなくて済みますよ。
特徴
京都の自然を愛した羽田登喜男は97歳で旅立つ1年前まで、制作活動に取り組みました。
写実的な美が特徴の加賀友禅をベースに、京友禅の持つ艶やな色彩を取り入れることに労を惜しまず、「羽田友禅」と呼ばれるまで突き詰めたのです。
代表的なモチーフである鴛鴦や、庭園や花鳥風月からヒントを得た自然の草花を、京友禅ならではの豪華絢爛な文様に蘇らせるのが特徴でしょう。
京友禅は分業を取ることでも知られていますが、伝統美の融合体でもある羽田友禅は、デザインから仕上げまでの一貫作業を行います。
京都市北区にある羽田工房では、長男で京都府無形文化財保持者の登氏、孫である登喜氏が羽田友禅を盛り立てており、伝統技術の継承に努めているのだとか。
もうすぐ東京オリンピックが開催されますが、ますます日本が誇る伝統的な着物の価値は高まるでしょう。
ダイアナ妃にも贈呈された羽田友禅とあれば、さらに品薄になるのは間違いないと言えます。