志村ふくみの着物や帯の買取価格相場と特徴

匠たちの様々な技の結晶でもある着物は美術品といって差し支えないものです。
ただ残念なことに、保管しておくだけで色褪せ劣化してしまうでしょう。

たとう紙から取り出して毎日眺める訳にもいかないので、いっそのこと処分するか、次世代へ継承する人も少なくありません。
こちらでは重要無形文化財である志村ふくみの着物や帯の特徴、買取相場などをまとめています。

サッカーの中田英寿氏も敬愛する志村ふくみ作品とはどのようなものでしょうか。

志村ふくみの着物や帯について

90歳を超えてもなお現役で、斬新なデザインの着物を世に生み出し続ける志村ふくみ。
ファンを公言する有名人も少なくありません。
随筆家としての活動も盛んで、染織への思いや生き様が綴られています。

テレビや雑誌でも大々的に取り上げられ、知名度や市場価値はとどまることを知らず、独創的な世界観を持つ着物は美術品のごとく価値が付けられない、手放したく無いと感じる人が多いようです。

買取価格相場

価値が高く人気のある志村ふくみ作品は、あまりインターネット上では出回っていません。
非常に高価であるため、老舗問屋・百貨店・呉服店などで扱われています。
中古買取着物専門店でも売り出した途端、すぐに買い手が決まるそうです。

新品の振袖や訪問着であれば100万~250万円以上、紬絵羽など500万円はくだらない物も存在します。
未着用の新古品でも300万円近くです。

買取相場は20万円以上と想定していますが、目利きのきく着物通でなければ、作品を正しく評価できないのではないでしょうか。

まずは何店舗か着物買取専門店に査定を依頼し比較をしましょう。
せっかく希少価値のある品物なので、安く買い取られることだけは避けたいものです。

着物は購入額のおよそ10分の1で売れるとされていますが、コレクターも多い人気作家である志村ふくみの作品なら、予想以上の金額になるでしょう。

母性や力強さ・味わい深い美しさが同居し、かつデザイン性も非常に高いため、着るのではなく美術品として自分の手元に残したい、眺めたい、と思って購入する人が多いのです。

特徴

幻想的で美しい色の元は、採取したばかりの草木から抽出し、ありのまま寸分も調節せず作られています。
そして自然の産物で染め上げた絹糸を使って、はたにかけ織り上げる技法が特徴です。

京都嵯峨野に工房を構えており、自宅や工房の庭に咲く草木から染めることも多いと言われています。

染織家であり人間国宝にも認定されている志村ふくみは滋賀県で生まれました。
16歳で機織りに出合いますが、離婚を経て子供を抱えて生活に困窮し、シングルマザーとして仕事として選んだのが染織の世界でした。

全くのゼロからのスタートだったそうです。当時女性は夫・子供に全てを捧げるのが当然とされた時代だったのに、どんな苦労をしても染色で食べていこうと、相当の覚悟ある決断をしたことが分かります。

1957年に第4回日本伝統工芸展に初出品で入選して以来、あらゆる伝統工芸展で受賞に輝きました。
全身全霊をかけて挑んだ染織への取り組みと、類まれな色彩感覚が合わさり、結果を出したのです。

今では娘の洋子さんが工房を受け継ぎ、母を支え作品作りに奮起しています。

志村ふくみのように日本が誇る作家や、美しい作品の数々と同じ時間を生きていることは、素晴らしいと感じませんか?
後世にも是非語り継いで行きたいものですね。