喜多川平朗の着物や帯の買取価格相場と特徴

子供の行事やお祝い事で着物を機会があれば、持っている着物の格について悩むこともあるでしょう。
そんな時には詳しい人に着物の詳細を話して、その場にふさわしいか聞いてみるのがお勧めです。

ただ100万円以上出して購入した格の高い訪問着や付下げも、一旦中古になってしまえば、元値の10分の1程度になることも珍しくありません。

今回は人間国宝である喜多川平朗の着物・帯とその買取相場について説明します。

人気作家の作品は驚くような価格でやり取りされており、美術品と同等の価値があり大変興味深いものです。

喜多川平朗の着物や帯について

有職(ゆうそく)織物の代表格として有名な喜多川平朗は、昭和時代の染織工芸家です。

古代の絹織物である「羅」の復元、天皇家が代々儀式で用いる「有職織物」を受け継ぐ作家として、重要無形文化財の指定を受けています。
また室町時代より500年続く西陣の織元・俵屋の17代目です。

昭和3年の昭和天皇即位大典儀式用装飾用品、皇室関係の礼装など、今でも儀式で俵屋の有職織物は使われています。

有職織物とは唐より伝来した織物が日本風にアレンジされ、平安時代には学識高く身分の高い者が身につけていました。
親しみやすい色調で幾何学的な文様が繰り返す様が日本風で美しいとされています。

俵屋が生み出す有職織物は優美で優雅、言葉では言い合わらせぬ美しさを持っており、織りの種類は固地綾、平絹、穀、紗、二倍織物、浮織物などがあります。

一つの作品に使用する色はなるべく少なく、文様を上品に生かすことを計算して作られている格調高いものです。

買取価格相場

今では俵屋といえば「帯」と言われるようになりましたが、宮中向けに作られていた有職織物を広く一般的に普及したい、後世にも受け継いで欲しい、という思いから帯作りにシフトしたそうです。

使用感がそれほどない中古の名古屋帯は、7万~20万円、新品反物の名古屋帯は20万~25万円が相場です。

2万~3万円で買取されることが多いのではないでしょうか。

ごく稀に中古の訪問着を見かけることもありますが、すぐ売り切れてしまい市場にはほとんど流通していないでしょう。

着物や帯は購入するときには何10万円と高い値段ですが、売るときにはどんなに業者が勉強しても、売り手が満足する値段をつけるのは難しいと言います。

それは元値がいくらだったかではなく、「どれくらいの価値があって今いくらで売れるのか」を考えて査定しているからです。

しかしこちらとしては1円でも高く買い取ってほしいものですよね。
有名作家や人間国宝作家作であれば、最低いくら以上、という買取り額を設けている業者も少なくありません。
それをうまく聞き出せる交渉術も必要かもしれません。車や家電の購入時と似たようなものです。

そのためにはいくつかの着物買取専門店に問い合わせて、出張査定をお願いしておくと便利ですよ。
わざわざ重い着物を持って出向かなくても良いし、着物の知識を持った査定士が鑑定してくれます。
鑑定結果をみて最終的に一番気に入った業者に買い取ってもらいましょう。

特徴

喜多川平朗は1898年に織物屋が集まる京都西陣に生まれました。
その中でも歴史の古い俵屋・喜多川家の17代目です。

復元は伝統工芸品ではないと考え作品展には出品しませんでしたが、古典染織の研究と復元、有職織物制作に没頭し、人間国宝で二回認定されるという大変な名誉に輝きます。

また次男である喜多川俵二氏も父のもとで織の技術を学び、特に染料研究に重きを置きました。
有職織物作家として1999年に重要無形文化財保持者に認定されています。
喜多川俵二氏作品も着物ファンの間で非常に人気が高いでしょう。

古くは平安時代から皇室の儀式に使われていた有職織物ですが、伝統的で美しい装束の生地が、一般庶民にも手軽に着物や帯で楽しめるのは喜多川家の働きがあったからこそ。
着物ファンの間だけなく後世にも語り継いでいきたいですね。