本場黄八丈の着物や帯の買取価格相場と特徴や歴史

自宅に着物があるけどどうやって売ったらいいのかわからない、肉親が亡くなったので扱いに困っている、そんな悩みはよく聞かれます。

こちらでは伝統工芸品として有名な本場黄八丈の特徴や買取相場をまとめています。

高く売りたいと考える人はぜひお役立て下さいね。

本場黄八丈の着物や帯について

昭和52年に国の伝統工芸品に認定された本場黄八丈は、東京都八丈島の名産品として有名です。
秋田県でも黄八丈が作られていますが、若干質や素材が異なります。
新品の本場黄八丈は老舗呉服屋でもなかなか見かけることが困難な品でしょう。

本場黄八丈は八丈島に生息する3つの植物を用いた草木染めと、職人による手織りが特徴の絹織物です。
渋さと落ち着いた色合いを併せ持った、人気の本場黄八丈の買取価格相場や特徴を紹介します。

買取価格相場

一般的に状態が良いものは5万~6万円程度が買取相場です。

江戸時代末期から明治初期が最も流行していたと言われる黄八丈ですが、東京都無形文化財保持者で人気作家でもあった故・山下八百子さんが手がけたものは、希少価値が非常に高く、新品の場合150~200万以上で販売されています。
中古であれば50万円以上が相場ですが、十分に価値のある高級品でしょう。

山下さんが関わった品であれば、買取価格は10万~20万円以上の値がつくこともあります。

中古の着物はオークションやフリマアプリを使って個人で売買するのは難しく、リサイクルショップに持っていく人がいますが、値段がつけられないと買取拒否をされるのがほとんどでしょう。

少しでも高く売るには専門の知識と経験を積んだ査定員が所属する、着物買取業者に依頼するのがおすすめです。

色褪せやシミがある場合も、本場黄八丈のようなブランド品は高く査定されることが多く、予想以上に値がつくのも稀ではありません。

それ以外の査定ポイントは、生地の状態・丈の長さ・証紙のあるなし等になります。
まずはメールや電話で問い合わせてみましょう。

良い業者で買取してもらうことで、色々な思い出の詰まった着物が、きっと次の人へ受け継がれて行くことでしょう。

特徴や歴史

常春の島と言われ伊豆諸島に属する八丈島は、雨が多く高温多湿です。
スイカやきゅうりなどの夏野菜も生産されていますが、島以外に出回ることほとんどありません。
本場黄八丈はそんな八丈島の地形から産まれた、島の経済を支える特産品です。

本場黄八丈の原型は平安時代にまで遡ると言われていますが、年貢として絹織物を幕府に納めていたのが始まりです。それは黄八丈として形を変え江戸時代にまで続きます。

熟練した島の女性たちが織りなす技から生まれる本場黄八丈は、その品質の良さから将軍家や御殿女中のみが愛用していましたが、江戸後期になると庶民でも小粋で恰好の良い着物として人気が急激に高まったのです。

江戸時代の随筆集である「玉勝間」には、八丈島について、一疋が八丈の織物を生産する島として綴られています。
黄八丈が三色の織物であったとされる最も古い記述は、江戸時代中期の類書「和漢三才図絵」です。

本場黄八丈は島に自生するカリヤス、タブノキ、シイの黄、茶、黒の三色のみを染料に使用します。
染色された生糸を昔ながらの高機を使って、職人が丁寧に織り上げているのが最大の特徴でしょう。

黄色の格子柄が代表的ですが、シックな黒やとび色を基調とした柄も人気が高いです。

織り方は平織りだけだなく複雑な綾織も用いられており、現在では数名ほどの限られた職人しか織ることができません。
それほど価値がある織物なのです。
新品で購入する場合も、納期はいつになるか分からないと言います。

もし手放すなら、本当に欲しい人の手に届けたいものですね。

本場黄八丈は八丈島のいくつかの工房で、実際に手織りを実習できたり、ガラス越しに糸繰りを見学できます。
黄八丈織物協同組合に問い合わせてみて下さいね。