千總(ちそう)の着物や帯の買取価格相場と特徴

着物や洋服には流行り廃りが存在します。

どうしても欲しくなって高いお金を出して購入しても、1年後には全く用がなくなったこともあるでしょう。

時を経てまた流行の色やデザインとして回帰するのがセオリーですが、待ちくたびれてしまいますし、いくら収納があっても足りませんよね。

そんな時に役立つのが着物買取専門店の利用です。
有名ブランド着物や伝統工芸品作品は、欲しい!着てみたい!と熱望しているファンが多いので、高く買い取ってくれるのです。

こちらでは京都の老舗呉服店の千總の着物の特徴や相場を紹介しています。
気になる人はぜひ読んでみて下さいね。

千總(ちそう)の着物や帯について

着物ファンなら一度は着てみたい憧れのブランドとして名を馳せる千總。
高級デパートの呉服店をメインに卸しており、ステータス感もありますね。

千總は1555年創業の日本が誇る京友禅の老舗呉服店です。

京友禅と聞けば自然と千總と思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
有名な染色家、木村 孝もファンを公言しています。

価格相場とブランドの特徴を見てみましょう。

買取価格相場

千總は市場にたくさんの流通経路を築いているため、呉服店やデパートに卸しており、新作であれば問題なく購入することができます。
ただ新品は100万~200万円以上する品も多く、なかなか手が出ないという人は新古品を探しているようです。

人気ブランドということもあり、新古品でもさほど値崩れしていません。
振袖が50万円前後、訪問着が16万~50万円以上、小紋が3万~20万円、黒留袖が3万~10万円で取引されています。
買取相場は振袖や訪問着であれば、10万~15万円程度でしょう。

一般的に大量生産されている着物は数千円、0円と鑑定されるケースもあります。
なぜかと言うと、中古品の着物はどれだけ希少価値があるか、レアな作品か、有名ブランドか、伝統工芸品かが最も重要視されるからです。

骨董品や美術品と同じ扱いと考えて良いでしょう。

千總は知名度が高く、たくさんの手間暇をかけて作られている京友禅なので、欲しい人は必ずいます。

さらに高く買取りされるには、新品かそれに近い美品である、仕立てができる大きなサイズである、京友禅協同組合連合会が認定する証紙がある、落款があるかがポイントです。

現在の千總では「千總謹製」の四角い落款のみで、色無地、小紋以外の裁ち合わせの決まっているの作品のみに入っています。

もし着なくなってしまった千總の着物があれば、そのまま大事にしまっておくよりは、価値が高いうちに査定してもらうことをお勧めします。

ただリサイクルショップで無駄に買いたたかれるよりは、価値を見つけて高く買い取ってくれる業者を探し、次世代に引き継ぐ方が良いのではないでしょうか。

特徴

西暦1555年に西村与三右衛門が、京都三条烏丸の地に織物業を始めたことが千總の創業と言われています。

450年以上に及び、あらゆる政治的経済試練を乗り越えた千總ですが、特に2つの大きな転換期がありました。
一つ目は明治維新による時代の移り変わり、二つ目は戦争です。

明治時代には当時の当主であった總左衛門による、型友禅と新進気鋭の画家による芸術的な作画の導入、華やかな物が一切禁じられた第二次世界大戦時には、伝統技術の継承の名目で、政府から工芸技術保存資格者の許可を得て製造を続けました。

千總は京友禅を取扱うブランドですが、特に手描き京友禅にはいくつもの工程を経て1つの反物が出来上がります。

その際それぞれに職人が存在するわけですが、歴代の職人は千總と固い絆で結ばれ、他で働くことはないそうです。
これが千總の大きな強みでもあるでしょう。

職人達の働き、現代まで続く千總のデザインへの強いこだわりなどがあったからこそ、「京友禅といえば千總」となり得たのではないでしょうか。

千總の京都の本社2階にはギャラリーが開設されています。
気になる人はぜひ足を運んでみて下さい。